こんにちは!
テダスクのSeitoです。
先日お客さんからのご相談で、WordPressのバージョンをメジャーアップデートした際にトップページが壊れてしまい、バックアップファイルで復元するも戻らないというご相談をいただき、アナログでバージョンを戻す作業をして、無事元の状態に復元しました。
今回はこのご相談を例に、何故バックアップファイルがあったにもかかわらず復元できなかったのかとアナログでバージョンを戻す方法を共有したいと思います。
プラグインのバックアップファイルではWordPressのバージョンは戻せない
WordPressで有名なバックアッププラグインはいくつかありますが、代表的なものにUpdraft Plus Back upとWP migration、BackWPuPがあります。
このうち、Updraft Plus Back upとWP Migrationはバックアップも復元もとても簡単で使い勝手が良いのですが、WordPress本体まではバックアップをしていないため、WordPressのメジャーアップデートをした後に復元したとしても、WordPress本体は前の状態に戻らないため、正確に言うとWordPress全体のバックアップではないということになります。
これは意外と落とし穴で、冒頭でお話ししたようにWordPressのバージョンアップで何か問題が起きたときのためにUpdraft PlusやWP migrationでバックアップを取ったとしても、WordPress本体とプラグインなどでエラーが出てしまった場合に、バックアップから完全に元に戻すことができないため、壊れた状態が続いてしまいます。
BackWPuPはこの2つのプラグインとは異なりWordPress本体とデータベースも生ファイルとしてバックアップをとるため、より確実なバックアップといえるのでおすすめしていますが、残念ながら一般の方には復元が難しいのが難点です。
そういう意味では、WordPressのアップデートをするときは、レンタルサーバーの手動バックアップをしておくことと、問題が発生してしまったときのために復元する方法を知っておくというのが確実バックアップ方法と言えるかも知れません。
WordPressをダウングレードする方法
もしWordPressをアップデートしたあとに、WordPressのバージョンを戻したいとなった場合は一番確実な方法は、公式サイトから該当のバージョンのWordPressをダウンロードして、必要なファイルをFTPを利用して上書きするのがおすすめです。
それでは一つずつ作業をしていきます。
公式サイトからWordPress本体をダウンロード
まずはWordPressの公式サイトに移動します。

画面右上の「WordPressを入手」ボタンをクリックします。
画面を下の方にスクロールして、追加リソースの「すべてのリリース」をクリックします。
2023年11月16日現在の最新のWordPressのバージョンは「6.4.1」ですが、ダウングレードするバージョンとして「6.3.2」のZipファイルをダウングレードしてみましょう。
ダウンロードしたファイルは解凍しておきましょう。WordPressの本体の中身は「wp-admin」「wp-content」「wp-includes」の3つのフォルダとindex.phpなどのphpファイルで構成されています。
バージョンによってこのファイル構成が変わることは基本的にありません。(ファイルの内容は異なります)
FTPで接続して仮起き用ディレクトリを作成する
ダウンロードしたWordPress本体のファイルを、対象のWordPressにそのまま上書きしたいところですが、WordPressのファイルは数が多く、環境によっては数十分掛かる場合があるので、先ずはサーバーのWordPressがインストールされているディレクトリに仮起き用のディレクトリを作って一度ファイルをアップロードしておきます。
そうすることで、WEBサイトのダウンタイム(更新中に見られなくなる時間)を抑えることができます。
レンタルサーバーにFTPで接続しWordPressがインストールされているディレクトリに移動し、「new」というディレクトリを作成します。今回はFTPクライアントソフトにFilezillaを利用しています。
このnewのディレクトリに先ほどダウンロードして展開したWordPress本体ファイルの「wp-content」ディレクトリを除くファイルを全てアップロードします。画像の様な感じになります。
次に現在のファイルを念のために取っておくために退避用のディレクトリ「old」ディレクトリを作成しましょう。
以上で下準備は完了です。
現在のWordPressをoldにダウングレード用のファイルをWordPressディレクトリに移動する
最後にWordPressファイルの入れ替え作業を行います。ここからの作業はダウンタイムに影響するため、作業の流れのシミュレーションをしっかり行いスムーズに作業するようにしましょう。
現在のディレクトリ(WordPress本体のディレクトリ)の「old」ディレクトリに「new」「wp-content」「.htaccess」「wp-config.php」を除く全てのファイルを移動します。移動のやり方はファイルを一式選択したらドラッグ&ドロップでoldディレクトリにカーソルを持っていくとファイルの移動ができます。
次に「new」ディレクトリに移動します。newディレクトリは先ほどファイルをアップロードしたのでこんな状態ですね。
このnewディレクトリにあるファイルを全て上の階層に移動したいので、ファイルを全て選択し、「..」という一番上にあるディレクトリにドラッグ&ドロップすると上の階層に一気に移動してくれます。
newディレクトリは空になりました。
上の階層に移動して、更新ボタンをクリックするとファイルが移動されているのが確認出来ます。
これでダウングレードの作業は完了です。
WordPressのダッシュボードにログイン
WordPressのダッシュボードにログインができる事を確認します。
するとWordPressのメジャーアップデートの場合はデータベースの更新も行っている可能性もあるため、このようにデータベースの更新についてダイアログが表示されると思いますので、更新を行って下さい。
ダッシュボードの「概要」をみてWordPressのバージョンがダウングレードしたバージョンになっていれば成功です。今回の場合は「6.3.2」になっていればOKですね。
エラーが発生する場合
もしサイトにアクセスしたときに何らかのエラーが発生した場合は、FTPでアップロードしたファイルに不足がある可能性があります。
FTPでファイルをアップロードするさいに、「失敗した転送」タブに数字が書かれていないかを確認して、もし転送が失敗しているファイルがあれば再度アップロードを試してください。
ファイルが全てアップロードできれば基本的にエラーになる様なことはありません。
どうしてもFTPを使いたくない場合のやりかた
もしどうしてもFTPを使った作業は不安な場合は、いくつか別の手段での復元方法があります。
レンタルサーバーのバックアップから復元
もしお使いのレンタルサーバーに自動バックアップの機能があれば、そのバックアップから復元するのが実のところ一番良い方法です。
ただ、サーバーによってはサブドメインなども一色単に復元するようなものもあるので、状況により慎重に復元しないといけない場合もあるので、よく確認して復元するようにしましょう。
WordPressの再インストールからの復元
WordPressを再インストールするやり方もあります。
この場合、バックアップファイルはWP migrationでエクスポートしたファイルがある場合に限ります。
レンタルサーバーの簡単インストールなどで、希望のWordPressのバージョンをインストールします。まっさらなWordPressがインストールされたら、プラグインでWP Migrationをインストールし、エクスポートしてあるバックアップファイルをインポートすれば、最新よりは前のWordPressのバージョンに戻すことはできますね。
まとめ
今回はWordPressを最新バージョンにしてしまったがために、サイトが壊れてしまった場合にWordPressを過去のバージョンに戻す方法を説明しました。
基本的にはこういったことが本番環境で起こらないように、公開しない副サイト(開発用サイト)を用意して副サイトでアップデートの試験を行ってから本番環境でアップデートするのが望ましいです。
またWordPressが壊れるのが恐いと思って、アップデートをまったくしないというお客様も実のところ少なくありません。アップデートには脆弱性対策が含まれているため、アップデートをしないというのはリスク以外の何者でもありません。
テダスクではこういった方、企業様向けに保守サービスを行っていますので、もしWordPressの管理に不安を感じている場合や、今回の様なケースで単発でのご相談も承っておりますのでお気軽にご相談ください。
以上、「アップデート後のWordPressをダウングレードして元のバージョンに戻す方法」でした。

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