ブロックチェーンにデータを記録する方法はいくつかありますが、この記事では、OpenSeaなどのプラットフォームを利用せずに、直接ブロックチェーンとやり取りするための準備について説明します。その最初のステップとして、テストネットで使用する仮想通貨(以降トークン)をFaucet(蛇口)から取得する方法を紹介します。
ブロックチェーンにデータを記録する時、ガス代という手数料がかかります。
もしすでに利用したことがある実績のありプログラムであれば、本番のブロックチェーンに載せてもいいのですが、初めてブロックチェーンを利用する場合や試験的に利用する場合、試験のたびにガス代ばかりが掛かってしまい、経済的ではありません。
そのため、ブロックチェーンではテストネットという試験用のブロックチェーンが用意されています。ブロックチェーンごとにテストネットもあるためこれから実際に使うブロックチェーンに対応したテストネットを利用します。
テストネットでもテストネット用のトークンは必要になるのですが、Faucetという仕組みで無料で取得出来る仕組みがありますが、取得するためにはウォレットに仮想通貨を所有している必要があります。(今回のEthereum – イーサリアムの場合は0.001Eth必要)
そのため、仮想通貨を購入して、ウォレット(今回はMetaMask)に送金して初めてテストネット用のトークンを取得出来ます。
今回は仮想通貨を購入してMetaMaskに送金、そしてFaucetからテストネット用のトークンを取得するまでのやり方を説明したいと思います。
もし、まだ送金先のMetaMaskを作成していない場合はこちらの記事を参考にしてください。(仮想通貨購入後の待っている期間に作業してもOKです。)
【WEB3.0】仮想通貨やNFTを管理するためのWeb3ウォレットを作ってみよう!(MetaMaskの作り方)
全体で掛かる時間(待ち時間も含めて)
まず、仮想通貨を買うために今回はSBI VCトレードを利用しますが、口座開設からFaucetでのトークン取得までの全体の時間は大体8日間です。
一番待ち時間がかかるのが送金までの待機時間で、これはマネーローンダリング防止のためにSBI VCトレードで仮想通貨を購入後最低1週間は、送金できません。
そのため、もし1週間も待てないという場合は、一回の購入単位が高くてもMetaMaskから直接買うなり、他のやり方をおすすめします。
SBI VCトレードで仮想通貨を購入
SBI VCトレードを利用する理由
今回SBI VCトレードを利用しますが、もしすでに他の仮想通貨取引所の口座を持っている場合は、その取引所をりようしても問題ありませんが、仮想通貨をMetaMaskに送金できることや送金時の手数料は確認しておきましょう。
SBI VCトレードを今回選んだ理由は、Ethereumの送金時の手数料が無料のためです。bitFlyerも利用していますが、送金時の手数料が掛かるため、わざわざSBI VCトレードの口座開設をしました。
一応、SBI VCトレードのリンクを張っておきますので、まだ口座をお持ちでない場合は作りましょう。
現金の入金
それではSBI VCトレードの口座を開設したことを前提に進めていきます。

メニューから「ログイン」をクリックします。
https://simple.sbivc.co.jp/login

左メニューの「ログイン/口座開設」をクリックします。

ログイン情報を入力してログインします。

ログインしたら左メニューの「入出金」をクリックします。

画像の例では1,000円入金していますが、0.001 Ethが購入できる金額かそのときのEthereumの価格を観て入金額を決めてください。

問題なければ金融機関サイトに移動します。

ログインします。

問題なければ送金を完了します。


クイック入金の場合はすぐに反映されます。
仮想通貨(Ethereum)の購入

入金が確認できたので、左メニューの買うからイーサリアムを選択して、「買えるだけ買う」を選択します。
するとETHと概算購入金額が表示されるので、0.001ETH以上なのを確認して「買う」ボタンをクリックします。

「確定する」をクリックして購入します。

左メニューの「保有資産」をクリックして、ETHが購入数になっているのを確認して、Ethereumの購入作業が完了です。
SBI VCトレードに送金先のウォレットを追加
次に仮想通貨の送金先の登録が必要なので、ウォレットの追加をします。
もしまだウォレットを作成していない場合は下の記事を参考にウォレットを作成しましょう。
【WEB3.0】仮想通貨やNFTを管理するためのWeb3ウォレットを作ってみよう!(MetaMaskの作り方)

先に作成したMetaMaskのウォレットアドレスを控えておきます。

ログイン中の画面の左メニューの「トレーダーモード」をクリックします。

再度ログインが求められるので、ログインします。

左メニューの「出庫アドレス登録」をクリックします。

「登録・編集」をクリックします。

注意事項を読んで「新規登録」をクリックします。

暗号資産:ETH
アドレス:控えておいたMetaMaskのウォレットアドレスを入力
アドレスの名称:自分が分かりやすい名前を入力
受取人:ご本人様
受取交換業者の所在国:日本
受取先:その他
受取先名称(漢字):メタマスク
受取先名称(アルファベット):MetaMask
移転の目的:その他
移転の目的(詳細):イーサリアム互換テストネット開発のため
直接記入するところはご自身の目的に合わせて書き換えてください。
ちなみにウォレットアドレスを間違えた場合、当然ですがMetaMaskに届きません。注意書きにもある通り、出庫後はアドレスが間違っていたとしても返金されませんので、アドレスは手入力せずに、MetaMaskからコピーして貼り付けるようにしましょう!
入力が完了したら、「確認」をクリックします。

内容に問題なければ「SMS送信」をクリックします。

登録が完了しました。
1週間後にSBI VCトレードからMetaMaskに出庫
いよいよ登録したウォレットに出庫するのですが、冒頭で書いたとおり1週間は購入した仮想通貨を動かすことが出来ませんので、一週間経ってから送金作業を行ってください。

まず、ウォレットを登録したときと同じように、ログインしたら「トレーダーモード」から再度ログインします。

トレーダーモードにログインしたら、左メニューの「暗号資産出庫」を開きます。
暗号資産出庫画面になったら、以下のように設定します。
暗号資産:ETH
数量:0.001
出庫アドレス名称:前回登録したウォレットアドレス名
「確認」をクリックします。

出庫予約確認が表示されますので、内容を確認して「SMS送信」をクリックします。

認証を完了します。

出庫予約確認メールが送信されますので、登録しているメールアドレスのメールを確認します。

メールに確認用のリンクがあるのでクリックします。

出庫予約が完了しましたので、再度トレーダーモードで予約を確認します。

出庫予約一覧に「処理中」という表示が出ていればOKです。

メールでも出庫予約の通知が来ます。

この後も待つのですが、約7時間後に出庫完了のメールが届きました。

無事MetaMaskに0.001ETHが入庫していました!
もし出庫通知が来たにもかかわらず、MetaMaskが0のままの場合、ネットワークがEthereum Minnetになっているかを確認しましょう。またアドレスも間違いないかなど確認しましょう。
以上が、MetaMaskに送金するまでの作業になります。
Faucetでテストネット用のトークンの取得
ここからは、テストネット用のトークンを取得する方法になります。
2025年1月29日現在、Ethereum互換のテストネットではSepoliaとHoleškyが稼働中です。
現在稼働しているテストネットの状況については「https://github.com/eth-clients/Goerli」のサイトで確認できます。

これからテストネットで試験する際はこちらのサイトで必ず稼働状況を確認した上で必要なFaucetからトークンを取得するようにしましょう。
また、Faucetを提供しているサイトもいくつかありますので、今回は、例としてAlchemyとGoogle Cloud Web3でSepoliaを取得する方法を説明します。
alchemyとGoogle Cloud WEb3でのSepolia取得について
aclchemyとGoogle Cloud Web3それぞれのSepoliaトークンの取得方法について説明していきますか、先に遣りやすさで言うと、2つめのGoogle Cloud Web3の方が、Googleアカウントで自動でログインされるので登録作業が不要な分楽です。
alchemyでのSepolia取得
先に、MetaMaskウォレットからアドレスをコピーしてきます。

Sepoliaトークンの送り先を入力するためです。

alchemyのサイトに移動します。
https://www.alchemy.com/faucets/ethereum-sepolia
一応説明すると、alchemyでは、0.1 Sepolia ETHが72時間に一回取得(請求)できます。と書いていますので、追加分は72時間後に再度請求しましょう。
「Please signup or login」をクリックして、登録します。


登録が終わったら、再度Faucetのページに移動し、Google reCAPTCHAをチェックして、入力欄にはSBI VCトレードらか送金した0.001 Ethが入ったウォレットアドレスを入力して、「Send Me ETH」をクリックします。

Faucet処理が完了すると、このような画面になります。ちょっと雰囲気的に焦りますけど、問題ないありません。
実際にSepoliaトークンがウォレットに追加されているか確認してみます。

左上のネットワーク選択のドロップダウンメニューをクリックします。

下の方にスクールすると、「テストネットワークを表示」というボタンがあるので、クリックします。
そうすると、Sepoliaというのが出てくるので、クリックします。

すると、0.1 SepoliaETHが入っているのが分かります。
以上でalchemyでのSepoliaトークン取得が完了です。
Google Cloud Web3でのSepolia取得
alchemy同様にウォレットアドレスは準備しておきましょう。
Google Cloud Web3のSepolia取得サイトに移動します。
https://cloud.google.com/application/web3/faucet/ethereum/sepolia

「Select network」がEthereum Sepoliaが選択されているのを確認して、「Wallet address or ENS name」に、控えていたウォレットアドレスを入力して、「Receive 0.05 Sepolia ETH」をクリックします。

「Your testnet tokens are on the way! This may take a few moments.」と表示されるので、処理が完了するまで数十秒待ちます。

処理が完了すると、「Testnet tokens sent! Check your wallet address.」と表示されれば完了です!

先ほどと同様に、ウォレットを確認してみます。
0.1から0.15に増えているのが分かります。(テストネット(Sepoliaトークン)の表示についてはalchemyのところで説明しています。)
ちなみにalchemyでは72時間ごとに請求できましたが、Google Cloud Web3はどうでしょうか。

再度Sepoliaの請求をしたら1日ごとに請求出来るとエラーがでてきました。なので、Googleは1日ごとに取得出来ます。
以上でGoogle Cloud Web3でのSepoliaトークン取得が完了です。
まとめ
今回の記事では、ブロックチェーン開発に必要なテストネット用のSepoliaトークンの取得まで説明してきました。
最近ではSonyがSoneiumというブロックチェーンをリリースして話題になりましたが、このSoneiumのテストネットのMinatoというブロックチェーンも今回取得したSepoliaトークンが利用できます。
ブロックチェーン開発には必ず必要なテストネットのトークンですので、一度やり方を覚えてしまえば後はそこまでハードルは高くないので、頑張って取得出来るようになりましょう。
今後は、ブロックチェーンにデータを載せる方法なども公開していく予定ですので、ブログのフォローやメルマガの登録もよろしくお願いします。
以上「【WEB3.0】ブロックチェーンにデータを載せる試験をするためにテストネットを利用しよう!(Ethereum互換トークンを取得するまで)」でした!
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